第二話時点で公開した独自設定

 この卓における独自設定の一部です。

3390年の時事

 飄凱による政権は盤石で、支持率は高い水準を維持しています。
 彼によって推し進められている『レーヴァテイルコントロール計画』は、未だ目に見える進捗が無いようですが、その研究による副産物は、確実に人々の生活を改善しているようです。
 また、近頃は福祉事業にも力を入れているようで、各種助成予算の拡大、国家事業として貧しい人々への医療などを行っています。
 レーヴァテイル保護事業をメインに行う紅の慈善財団にも、その恩恵は届いており、ヨナは複雑な気持ちをしているようです。

『レーヴァテイルハーフ』とは

 文字通り、レーヴァテイルと人間の間の子──つまり、本編時代でいう『第三世代』のことです。
 この時代には延命剤が無く、レーヴァテイル質を発現した人間の子は例外なく夭折しているため、呼び名も本編時代とは異なるだろう、というヘッドカノンの元生まれた呼称です。
 β純血種と人間の間に生まれた女児をこう呼ぶことが多いですが、差別的な文脈においては男児でも、単に変わった目や髪の色を持つ者でも呼ばれることがあります。
 また、親がレーヴァテイルでなくても、『タトゥリスタ病』を発症した者はレーヴァテイルハーフと呼ばれます。

 レーヴァテイルハーフは、β純血種ほどではありませんが、第二紀ソル・シエールにおいて差別を受けます。
 タトゥリスタ病が遺伝性の疾患であることはこの時代でも突き止められており、仮に発症しておらずとも、特に結婚相手として劣るとされます。近親にタトゥリスタ病で命を落とした者がいる者、珍しい目や髪の色をしている者も同様です。
 これらの情勢的背景から、β純血種が出産した子供を、時には母体諸共放棄することが横行しています。更には、タトゥリスタ病を発症した娘を、看取ることなく捨てて社会的に抹消することさえ、一部では行われているようです。

紅の慈善財団の事業

 紅の慈善財団は、名前の通り慈善団体です。無償ボランティアによる貧民街での炊き出しや流行病のワクチン接種、植樹活動の他、大々的に行なっているのはレーヴァテイル保護事業です。
 持ち主によって放棄されるレーヴァテイル、ロクでもない主人に所有されてしまっているレーヴァテイルは多く、そういった者たちを保護すべく、紅の慈善財団は日々奔走しています。
 しかし持ち主がいない者ならともかく、ロクでもない主人のいるレーヴァテイルまでは、全てを救うことは難しく、邪悪かつ狡猾な相手には手の打ちようがないのが現状です。
 とはいえ心ない者たちには、紅の慈善財団は『レーヴァテイルを虐待してるとすっ飛んでくる厄介連中』扱いされ、レーヴァテイルへの虐待行為がそれなりのリスクとして扱われているようです。

 また、紅の慈善財団は、タトゥリスタ病患者の保護と治療にも力を入れています。
 しかし現状では、死にゆく苦痛の緩和くらいしか出来ることがなく、治療法の模索も上手くいっていないようです。