第一話時点で公開した独自設定

 この卓における独自設定の一部です。

3388年の時事

 昨年、3387年に最高評議会の総選挙があり、新たな大統領が就任しました。飄凱ひょうがいという壮年の男です。
 彼はネオ・エレミアの更なる繁栄のため、数々の急進的な政策を打ち出しており、人気は結構ありますが、レーヴァテイルたちからは不評です。
 また、彼により『レーヴァテイルコントロール』計画が推進されています。まだミュールは誕生していませんが、設計は最終段階に差し掛かりつつあるようです。

 レーヴァテイルにとって、今は冬の時代です。選挙権はもちろん基本的な人権すら認められておらず、法律上の扱いは彼女たちは『機材』であり『道具』です。
 もちろん、真っ当な者はレーヴァテイルを虐待するなんてことはしませんが、真っ当でない者が野放しにされているのが現状です。
 現状に不満を持たないレーヴァテイルは、既に自我を殺された者を除けばごく少数でしょう。

赫の天秤とは

 プロローグでも語った通り、レーヴァテイルの権利を勝ち取るために暗躍する反政府組織です。公式の設定には存在しない、オリジナルの団体となります。
 結成は3360年、頭首スカーは当時からずっと現役です。
 彩音回廊の及ばないホルス右翼の最果て、『銀牙山脈』の片隅にアジトを構え、少しずつ同志と武力を集めて現在に至ります。
 アジトと市街地は秘密の地下通路で繋がっており、地下通路の出口は後述する『紅の慈善財団』が守っています。

 『紅の慈善財団』は、赫の天秤の表の顔です。レーヴァテイルやタトゥリスタ病患者の保護を行うボランティア団体で、慈善活動を隠れ蓑にしつつ、赫の天秤は色々な活動をしています。
 紅の慈善財団は公にも認められた合法の組織で、様々な慈善事業に名前を出しているため、世間のイメージは概ね良いものとなっています。赫の天秤との繋がりは、巧妙に隠蔽しています。
 構成員の大半はレーヴァテイルですが、紅の慈善財団には人間の賛同者(裏の顔を知らない者も含む)も多く、わずかですがテル族の協力者も存在しています。

赫の天秤へ加入するには

 一番多いのは、紅の慈善財団を経由する方法です。現在の構成員の半数以上が、紅の慈善財団による保護を受けた後、赫の天秤に加入しました。
 保護されたレーヴァテイルのうち、見込みのありそうな者に、こっそりと声を掛けて加入を打診する感じです。また、人間やテル族の協力者も慈善財団を経由した場合が多いようです。
 また、赫の天秤により非合法的に救助されたレーヴァテイルは、紅の慈善財団の庇護を受けることが出来ません。慈善財団は合法の組織ということになっているので。
 そのため、あまりにも劣悪な主人から暴力を伴う手段で救い出され、そのまま成り行きで赫の天秤を手伝いをしている……といった経歴の者も居ます。
 そして、それよりさらに数が少なくなりますが、赫の天秤に協力するテル族ムノフの青年・レイヤの予知能力によって、天秤の益になると判断され直接勧誘を受けた者も存在します。