ソル・シエール、第二紀。
グラスノインフェリアの災禍を乗り越え、
シュレリアと音科学と共に歩んでいったネオ・エレミアの文明は、この時栄華を極めていた。
しかしその繁栄を享受する人間たちの影で、レーヴァテイルたちは冬の時代を過ごしていた。
シュレリアによってβ純血種の製造技術がもたらされ、各分野に投入されるようになり数十年。
既に彼女たちは『便利な道具』として、人間社会に浸透していたのだ。
そんな時代に、『赫の天秤』は生まれた。
後世に名を残すことの無かった、とある反政府組織。
レーヴァテイルがヒトとしての権利を勝ち取るために、
そしてこの地にレーヴァテイルが生きる国を作るために、
赫の天秤は歴史の影で、日々暗躍を続けていた。
「志を同じくするならば、我らはどのような身分の者でも受け入れる。
貧困に喘ぐ根無し草であろうと、瘧を溜める権謀術数の世界の者であろうと。
確認するぞ。其方はレーヴァテイルの世界の夜明けを見たいか?
この地にレーヴァテイルのための理想郷を築きたいと願うか?」
「──よろしい。我輩は其方を喜んで迎え入れよう。
我が名は『スカー』、赫の天秤の頭首にして、罪を計る血の秤の担い手。
共に新しい世界を見に行こうではないか」
アルトネリコTRPG レーヴァテイル戦争キャンペーン
【傾かざる赫の天秤─Rre prooth deata na cenjue─】
A.D.3388、物語は動き出す。
シナリオ概要
アルトネリコ1の舞台『ソル・シエール』の、第二紀における事件の一つ『レーヴァテイル戦争』を、当時存在した反政府組織『赫の天秤』の一員として生き抜くキャンペーンシナリオです。
セッティングの関係上、PCは『本来の歴史上では報われることのなかったテロリストの一味』になります。PCは犯罪者になりますし、敵味方問わず多種多様な暴力を受けます(流石に18禁にならないようにしますが)。
また、公式の資料にはない様々なオリジナルキャラ・組織等を捏造したりしています。設定補完も結構がっつりやっています。私も公式の設定を完全に把握しきれているわけではないので、ミスや抜けはご指摘ください。
皆さんの選択次第ですが、およそ3~5話構成で考えています。第一話は組分けすることが決まっていますが、二話以降はその限りではありません。
この物語は、PCたちにとってのバッドエンドになることを想定しています、ご理解ください。
ただ、場合によってはこのシナリオはifの世界線になる可能性があります。
PC作成のレギュレーション
*データ面*
たかゆきさん作のver3.finalに、独自要素や最新版の要素の一部を加えた「ver3.f_rpdnc」を使います。アプデ対応の手間を省きたいので。
独自要素の追加で発生したバグに関しては、都度GM裁定でなんとかします。プレイヤーフレンドリーでいきます。
経験点60、リーフ2000で作成してください。
種族は「レーヴァテイルβ純血種」「人間」「テル族」が使用可能ですが、後ろ二つは設定的な制約が生まれることをご了承ください。
経験点やリーフは、使い切らずに貯めておいても良いですが、あんまり極端なことはしないでください。
PC間でのお金の貸し借りはアリですが、その場合貸し借りするPC同士に、お金の貸し借りをし得る程度の何らかの関係性を結んでください(例:友人同士、元同僚、恩人であるなど)。
あと、全員後衛とかになっても、同行NPC等である程度はバランスはとります。
難易度が上がることを理解の上でなら、変な編成でもオッケーです。
また、キャンペーンを通して、戦闘以外の判定が必要になる場面があります。器用や知識、集中なども振れると捗るかもしれません。
*設定面*
所属地域は「ソル・シエール」のみ、レーヴァテイルは「A.T.D.β純血種」のみとします。
第二紀ソル・シエールには延命剤が無いという設定でいくため、戦闘可能な第三世代は存在しません。
また、PCは『反政府組織に協力する動機』を持ってください。
このため、人間やテル族のPCの場合、キャラクター設定のハードルがある程度上がります。
その他飛び道具的な設定や、上記に当てはまらない出自・種族だがあり得そうなキャラなどは、随時相談に来てください。
当キャンペーン限定の追加要素
ver3.f_rpdncの使用
アプデ対応やリビルドの手間を省くため、独自要素を追加した安定版を使用します。
最新版のスキルの一部を逆輸入し、さらに追加種族などを盛り込んであります。
追加要素は話が進むごとにさらに増えるかもしれませんが、リビルドを要するような追加はしない予定です。
デバッグとかはしていないので、変なことになったらその都度GM裁定で解決します。プレイヤーフレンドリーでいきます。
追加種族
「β純血種・バランスカスタム」「β純血種・ソルジャーカスタム」「β純血種・スカウトカスタム」が追加されます。
初期能力値がそれぞれ違う他は、通常の「A.T.D.β純血種」に準じます。
PC、NPCともにレーヴァテイルのキャラが多くなることが予想されるため、バランス取りの一環としての追加です。
名称 | 数値 |
---|---|
HP | 50 |
MP | 60 |
【力】 | 2+2D |
【素早さ】 | 2+2D |
【感知】 | 3+2D |
【伝達力】 | 3+2D |
【幸運】 | 3+2D |
【詩魔法】 | 2+2D |
名称 | 数値 |
---|---|
HP | 60 |
MP | 50 |
【力】 | 3+2D |
【素早さ】 | 3+2D |
【感知】 | 2+2D |
【伝達力】 | 2+2D |
【幸運】 | 3+2D |
【詩魔法】 | 2+2D |
名称 | 数値 |
---|---|
HP | 40 |
MP | 70 |
【力】 | 1+2D |
【素早さ】 | 3+2D |
【感知】 | 3+2D |
【伝達力】 | 3+2D |
【幸運】 | 3+2D |
【詩魔法】 | 2+2D |
リーフ購入詩魔法
経験点の代わりにリーフを支払い、ヒュムネクリスタルを購入することで習得可能な詩魔法スキルを実装します。
第二紀ソル・シエールに存在した、「ヒュムノスワードのような効果のエクストラクト」の再現となります。
市販の詩魔法なので、あまり強力ではありませんが、選択肢の一つにはなるかもしれません。
また、通常の詩魔法スキルを設定上でこういったエクストラクトであるという扱いにすることに、今後も制限はありません。
また、全てのリーフ購入詩魔法の『取得可能CL』&『最大SL』は共に1とし、詠唱を通して発動します。
当たり前ですが、取得制限は『[レーヴァテイル]のみ』となります。
名称 | カテゴリ | 消費MP | 効果 | 値段 |
---|---|---|---|---|
ファストエイド | 青魔法 回復 | MP10 (毎ターン) | 範囲:フィールド全体 無属性 [自分]と[味方]全員の【HP】を5回復する | 400リーフ |
リトルメディスン | 青魔法 回復 | MP10 (毎ターン) | 範囲:フィールド全体 無属性 『1』状態異常を一つ選択する 『2』[自分]と[味方]全員は『1』で選択した状態異常を回復する | 300リーフ |
インスタントシールド | 青魔法 特殊 | MP10 (毎ターン) | 範囲:フィールド全体 無属性 [自分]と[味方]全員に[障壁:3]を付与する | 500リーフ |
購入可能詩魔法は、今後増える可能性があります。
追加スキル
名称 | 取得CL/最大SL | 効果 | 取得条件 |
---|---|---|---|
コギト・エルゴ・スム | 1/3 | システム強化 パッシブスキル [自分]は[SL×3]のコギト取得スロットを得る コギトについては独自ルール【コギトについて】を参照すること | なし |
コギトについて
ロイスとか誓いの灯火的なものです。
時のある哲学者は、『ヒトとそうでないモノの本質的な違いとは、絆の有無だ』と考えました。
ヒトの魂が単なる定常H波の塊ではなく、思考する個我たりえるのは、
他者との関わりによる想いの共鳴が、常にそのカタチを変え続けるからである、と。
ならば強い絆を意識することで、ヒトの魂はより強く大きくなるのではないか。
実際の所どうなのか、観測する手段をこの世界の人々も持ち得ませんが、アルシエルは想いが奇跡となる世界でもあります。
『コギト』と名付けられた絆は、僅かばかりの力を思考する者に与えます。
汎用スキル[コギト・エルゴ・スム]を取得したキャラクターは、SLに応じたコギト取得スロットを得ます。
コギト取得枠を持つキャラクターは、セッション開始前に任意のキャラクターを対象としたコギトを、スロット数以下の数取得することが出来ます。
空きスロットが有る場合、セッション中に取得することも可能ですが、既に取得したコギトをセッション中に変更・削除することは基本的に出来ません(一部例外あり)。
セッション終了後、成長処理のタイミングでは、自由に取得コギトを変更することが可能です。
コギトは『対象』と『属性』を持ちます。
『対象』には、基本的に人物をとります。PCでもNPCでも、それ以外のモブでも構いませんが、あまりにも無関係な相手とは、絆を結ぶも何もないでしょう。
『属性』は、対象に選んだモノをどう思っているか、大雑把な分類を当てはめます。この属性によって、そのコギトがどんな力を発揮するかが決まります。
その対象が異なる限り、同じ属性のコギトを複数取得することができます。
逆に、別属性でも対象が同じコギトを複数取得することはできません。
特記なき限り、コギトの発動も同タイミング同スキル制限を受けます。
効果が競合する複数のコギトが宣言された場合、コギトは宣言順で処理されます(つまり、後から宣言されたものが優先される)。
この特性上、コギト(や奇跡振り直しなどの効果)は後出しができます(他の処理結果を見てからコギトや奇跡振り直しが宣言できる)。
ただし、コギトの効果(クリティカル・ファンブルの効果ではなく)により自動成功/失敗になった場合、それ以上の一切のコギトの宣言はできません。
取得コギトの詳細は無くても良いですが、あると嬉しいです。
コギトの属性
コギトの属性は、以下の内から当てはまると思うものを1つ選んでください。
取得したコギトの発揮する効果は、全て[スキル]として扱います。
名称 | 効果 | 発動タイミング | 備考 |
---|---|---|---|
コギト『連帯』 | アクティブスキル 判定支援 『1』次に自分が行う行為判定の達成値に5追加する 『2』この効果を適用する判定がこのコギトの対象のためである場合、達成値にさらに5追加する 『3』複数の[コギト『連帯』]は重ねて使用可能 『4』このスキルは1シナリオに1回まで使用可能 | 行為判定前 | 友達、同僚、仲間など。信頼や友情を示す属性。 この属性のコギトの対象は、取得者にとって親しい存在、頼もしい存在となる。 |
コギト『敬愛』 | アクティブスキル 判定支援 『1』[奇跡]消費なしでルールによる奇跡振り直しができる 『2』この効果を適用する判定がこのコギトの対象のためである場合、振り直し前と後からどちらを採用するか選択できる 『3』このスキルは1シナリオに1回まで使用可能 | 行為判定後 | 上司、師匠、先輩など。尊敬や信頼、恩義を示す属性。 この属性のコギトの対象は、取得者にとってリスペクトする存在、忠誠を誓うに足る存在となる。 |
コギト『思慕』 | アクティブスキル スキル支援 『1』HPMP回復行動に対して使用した場合、回復量に5追加する 『2』攻撃行動に対して使用した場合、耐久減算前ダメージに5追加する 『3』この効果を適用する行動の対象がこのコギトの対象である場合、回復ならばさらに回復量に5追加、攻撃ならばダメージを[貫通ダメージ]にする 『4』『1』『3』の効果は[心の安らぎ]には適用しない 『5』このスキルは1シナリオに1回まで使用可能 | [自分]による HPMP回復行動 または ダメージを与える 攻撃行動の宣言時 | 恋人や夫婦、兄弟姉妹など。愛情や恋慕、傾倒を示す属性。 この属性のコギトの対象は、取得者にとって掛け替えのない存在、宝物のような相手となる。 |
コギト『庇護』 | アクティブスキル 強化スキル 『1』[自分]に[障壁:5]を付与する 『2』[かばう]の対象がこのコギトの対象である場合、ダメージステップで受ける耐久減算後ダメージを半減する 『3』このスキルは1シナリオに1回まで使用可能 | [かばう]宣言タイミング | 後輩、子供、被害者など。責任感や保護欲を示す属性。 この属性のコギトの対象は、取得者にとって守るべき存在、責任を持つべき存在となる。 |
コギト『喪失』 | アクティブスキル 判定支援 『1』任意の対象が行った判定のダイス目を1つ選び0に変更する 『2』ファンブル判定上は出目0は出目1と同じに扱い、『1』の結果ファンブル条件を満たす場合はファンブル扱いとする 『3』この効果を適用する動機がこのコギトの対象のためである場合、その判定を自動失敗とする 『4』このスキルは1シナリオに1回まで使用可能 | 行為判定後 | 死んだ親友、袂を分かった相手など。哀悼、悔悟、執着を示す属性。 この属性のコギトの対象は、取得者にとって失って尚想うべき存在となる。 |
コギト『断絶』 | アクティブスキル スキル支援 『1』宣言した行動の範囲を[範囲拡張]する 『2』この効果を適用する攻撃がこのコギトの対象を巻き込む場合、その攻撃は障壁を無視する 『3』このスキルは1シナリオに1回まで使用可能 | [自分]による ダメージを与える 攻撃行動の宣言時 | 仇敵、クソ上司など。嫌悪や無理解を示す属性。 この属性のコギトの対象は、取得者にとって消えて欲しい相手、憎むべき存在となる。 |
コギト『相克』 | アクティブスキル 特殊スキル 『1』この行動で[自分]の受ける状態異常や弱体効果のうち1つを無効化する 『2』同じ戦闘にこのコギトの対象が参加している場合、この行動で[自分]の受ける状態異常や弱体効果を全て無効化する 『3』複数の[コギト『相克』]は重ねて使用可能 『4』このスキルは1シナリオに1回まで使用可能 | 敵の行動により [自分]が状態異常 または弱体を受ける時 | ライバル、強敵(とも)、仇敵など。敵愾心や闘志を示す属性。 この属性のコギトの対象は、取得者にとって克服すべき相手、乗り越えるべき存在となる。 |
コギト『嘱目』 | アクティブスキル 判定支援 『1』[自分]が行った判定のダイス目を1つ選び6に変更する 『2』『1』の効果により出目6が2つ以上になった場合はクリティカル扱いとする 『3』この効果を適用する判定がこのコギトの対象に対するものである場合、その判定を自動成功とする 『4』複数の[コギト『嘱目』]は重ねて使用可能 『5』このスキルは1シナリオに1回まで使用可能 | 行為判定後 | 敵対組織の者、仇敵の縁者など。注目や警戒心を示す属性。 この属性のコギトの対象は、取得者にとって目の離せない存在、強い興味の対象となる。 |
テル族の魔法
せっかくだからテル族も魔法らしい魔法が使えるようにします。
まず、スキル内容自体は通常の「詩魔法スキル」を流用します。
詩魔法スキルの取得制限種族を「レーヴァテイルとテル族のみ」にする感じですね。
ただし、「リーフ購入詩魔法」は取得できないものとします。
詩魔法系汎用スキル・必殺技の取得制限も据え置きですのでご留意を。
使用についても、通常のレーヴァテイルによる使用とは異なる点があります。
・効果は通常の半分(端数切り捨て、最低1)です。ただし、状態異常付与のターン数は据え置きです。
・バーストアップフェイズを挟んでも、BGを2以上に増やすことは出来ません(ゲイフォークの仮面なども効果無し)。
つまり、赤魔法なら詠唱開始したそのターンにBG1で放つのが最も効率的になります。
・青魔法を詠唱した場合、通常と同様に青魔法発動タイミングで効果を発揮します。
テル族が青魔法を詠唱している時に限り、メインフェイズで1行動権を使うことで詠唱を終えることが出来ます。(MPなどは消費しません)
この詠唱終了行動は[詩魔法発動]と同カテゴリとします。
つまり、その後残った行動権で緊急詠唱とかは出来ませんが、[移動]なり[スキル]なりは宣言可能です。
詠唱を終了しないことも出来ます。BGが増えない以上、あまり意味はありませんが。
詠唱を終了した・しないに関わらず、テル族が使った持続系効果の青魔法は、1ターンの間効果を発揮します。
追加スキル
たか=ゆきさんに許可をいただいたので、別卓の独自追加スキルを輸入します。
名称 | 取得CL/最大SL | 効果 | 取得条件 |
---|---|---|---|
フィーネ | 2/1 | 特殊スキル コマンドスキル [自分]が[青魔法]詠唱中に使用可能 [メインコマンド:詩魔法発動]にて使用 消費MP5 [自分]は詠唱を終了する | [レーヴァテイル]のみ |